伐採後に、植林されずに放っておかれるままの山々。
間伐が行われないため地面に日光が入らず、下草が生えない山々。
間伐して切り捨てられた木々は大雨で土といっしょに流出。
立ち枯れや山崩れ災害の心配。
戦後復興の拡大造林で植えられた人工林は、
まさに今、伐期を迎えようとしてるのに、
経費ばかりかかる割に、木材の値段があまりに安く、
伐り出すほど赤字が膨らんで経営意欲を失ってしまった山林所有者や、
普段地元にいない山林所有者が、
代々守ってきた山を売ってしまうケースも増えています。
森林は、空気を浄化し、きれいな水を蓄え、
土砂崩れや洪水など自然災害から人々の生活を守ってくれます。
この働きを充分に発揮させるためには、
森林を適切に手入れすることが必要です。
地元で育った木材を使い、地元で用いられている工法や技術を利用して、
家をつくることにより、
地元の気候・風土に合った家づくりができ、
地域色のある木の文化が継承されます。
地元の木を使うことは輸送の距離を短くすることになり、
輸送に必要なエネルギー消費量や、それに伴う
二酸化炭素の発生量を抑えることにつながります。
地元の人々の手で森林を維持・育成、木材生産、木材加工、
さらに木造建築をはじめ多くの分野で、地元材を活用・消費することにより、
地元材を中心とした産業活動が活発となり、地域経済が活性化します。
地元の木を使うことによって、林業が元気を取り戻せば、森林の整備が促されます。
森林こそが私たちの水を守り、生き物を育み、空気を浄化してくれているのです。
川や海も、森林の活動と一体になって生きています。
この国の森林や川の自然は、昔から人が使い、
人が手を入れることによって保たれてきたのです。
地元の木で家をつくることは、
単に都市の家に安らぎと健康を与えてくれるだけではなく、
都市を生かしている自然環境を守り育てることにもつながっています。
まずは住まう人・つくる人が積極的に地元の木を使い、
健全な需給のバランスを回復していくことで、解決の糸口は見えてくるはずです。
青々と茂る山々の景色の足元がどうなっているのか。
いっしょに見に行ってみませんか。